忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

年齢逆転パラレル①

リサイクル。続きはのちほど。




 月に一度行われる、白ひげ海賊団、恒例の隊長会議が本船で催された。会議といっても、持ちよった様々な情報や、財務(お宝の分配など)、人事(主に戦闘による人員の増減)に関する、報告会という方が正しい。
議事進行係は、決まって一番隊隊長が請け負うことになっている。
 他の隊長も無能なわけではなかったが、暴れることは得意でも、事務的な能力に些か不安を抱く者が多かったからだ。実際に議事進行を持ちまわりで行ったところ、マルコが進行するよりも三時間以上もの時間を費やし、それ以来、彼の仕事になった。
 その会議も中盤に差し掛かり、三十分の休憩をとることにした。各々思うまま、好きな場所へ移動する。マルコとサッチは、煙草を吸いながら、水分補給をすることが多かった。いつものように喫煙場所へマルコを誘うと、わずかに逡巡し、マルコは頷いた。
 二人揃って喫煙所へ着くと、サッチは愛用の煙草に火をつける。馴染んだ匂いは、慣れない頭脳労働で疲れた気持ちを落ち着かせてくれた。サッチが二本目の煙草に火をつける。隣のマルコは、ガス入りのミネラスウォーターの瓶を手元で遊ばせ、一向に煙草を吸う気配がない。不思議に思ったサッチは、煙草のソフトケースを揺らした。
「吸う?」
「…いや、いらねェよい」
 僅かに空いた間は、マルコの迷いを示していた。サッチと並んで、一日三箱以上も消費するヘビースモーカーのマルコが吸わないのは、珍しい。そこまで考えて、ここ数日、マルコから煙草の匂いがしなかったことを思い出した。
「おまえ、まさか、禁煙する気かァ!」
 大声をあげた瞬間、ぽろりと口から煙草が落ちる。床に落ちた煙草は、甲板を焦がして、煙をくゆらせていた。
「このっ!馬鹿!燃えたらどうするんだよい!」
 サッチの頭を一発殴ってから、サンダルで煙草の火を踏み消した。足をあげると、甲板に焦げ目がついていた。また大工に叱られる。二人は顔を見合わせて、ため息をついた。
「悪ィな。あとでおれが謝りにいく」
「当たり前だよい。おれは吸ってねェんだからな」
 甲板で踏み消された煙草を拾って、灰皿代わりのバケツに捨てる。新しく一本取り出し、火をつけた。
「なんで急に禁煙なのよ」
「理由なんかねェよい」
「あほか!一日三箱も吸ってたやつが急に吸わねェなんて言い出して、禁煙以外あり得るかよ!」
「……喉が痛てェんだよい」
「そりゃお前、どう見たって、苦しすぎるだろ。言い訳にしたって酷いぞ」
「……火拳に、言われたんだよい」
「ああ、お前の旦那な」
「誰が旦那だ!」
 細い眉を吊り上げて、マルコは声を荒らげた。未だ醒めることのない憤りで、頬が薄らと赤く染まる。それも無理のない話だ、と事の発端である、あの日のことをサッチは思い出していた。


 火拳のエースこと、ゴール・D・エースは、父親でもある海賊王ゴール・D・ロジャーと、冥王レイリーと共に、モビーディック号を訪れた。
 何かと殺り合うことの多い彼らとは、戦場では命のやり取りとし、陸にあがれば、酒を酌み交わすこともある。
 海賊王は確固たる領海を持たず、自由に海を旅することで有名だ。白ひげをはじめ、四皇と呼ばれる海賊は、領海を定めている。白ひげ自身も、さして領海を拡げることに興味はないのだが、彼の領海に定めることで、平穏な生活を送れる人々がいることもまた事実だ。カイドウのように略奪の限りを尽くす相手とは、何かと小競り合いが多かったが、ロジャーとは互いに敬意を払い、それなりにやり過ごしている。
 そうは言っても敵であることは間違いない。その彼らが揃って、モビーディック号を訪れた。一体何事かと白ひげの息子達は警戒したが、とうの本人達はどこ吹く風だ。いつものように甲板で酒を呷り、白ひげは三人を出迎えた。
「珍しいこともあるもんだ」
 グラララ、とさも愉快そうに笑い、白ひげは彼らを眺める。敵対する様子はない。少し離れた場所に控え、マルコは不測の事態に備えていた。
「それで用件てのは、なんだ」
「エース、お前が言え」
「あんたの息子を貰いたいんだ」
 そう告げたエースの眼差しは、迷うことなくマルコに注がれている。強い視線を受けて、マルコは顔を強張らせた。
「頭でもイカれたのか」
「残念ながら正気だ」
 エースの真意を確かめるように、白ひげは金色の目を細めた。射抜くような白ひげの眼差しに、エースの背中はぞくりと震えた。
「この前、あんたの島を助けてやっただろ。その礼に、あいつ、不死鳥マルコをおれにくれ」
 エースは白ひげから視線を逸らし、またマルコを見つめる。突然、自分の名前が話題に上り、マルコは呆然とする。
「おれの息子は物じゃねェんだ。簡単にやったりできるもんじゃねェな」
「ちゃんと大事にする。あんたの船に乗ったままでもいいんだ。あいつがほしいんだ」
「……だとよ。どうする?マルコ」
「オヤジ…!どうするもなにも!」
「やったりとったりはできねェが、口説くのはお前の好きにすりゃァいい。お前がマルコを尋ねてきても追い返さねェし、邪魔もしねェ。それでいいか。鼻たれ小僧」
 マルコが白ひげの名を呼ぶのと同時に、エースは丁寧に頭を下げ、礼を述べた。白ひげ海賊団では、白ひげの意思が一番だ。つまり、マルコを口説くために、エースが船を訪れることが許可された。そして、それを邪魔することは許されない。
「おれが抵抗すんのは、ありなのかよい…」
 力なくマルコがぼやくと、そりゃァ当たり前だろ、と白ひげの代わりにエースが答えた。グラララ、と白ひげの笑い声が辺りに響いた。
 

 その夜、宴を辞して、ロジャーとレイリーは、自船へ戻った。一人息子を置いたまま、海の彼方へ消えてしまった。残されたエースは、ちゃっかりモビーディック号で夕飯を平らげ、宴に参加している。まるで昔から、この船に乗っていたかのように、皆に馴染んでいた。
 騒ぎの輪に混ざる気が起きず、マルコは甲板の隅で酒を呷っていた。苛立ちが抑えきれず、ピリピリとした空気を纏ったマルコに近づく命知らずはいない。一人で呑気に酒を飲んでいると、輪の中から抜けだした人影が近付いてくる。気配ですぐにわかった。マルコの機嫌を降下させている張本人だ。
「何の用だよい」
 振り向きもせず、マルコが問うと、微かに苦笑する声が聞こえた。
「あんたを口説きにきた」
 軽い足取りで歩み寄ると、エースはマルコの隣に腰を下ろした。
「これが好きだって聞いたけど」
 マルコの横顔を覗きこんで、酒瓶を振ってみせる。差し出された瓶を奪い取って、封を切った。鼻をくすぐる芳香を嗅いで、マルコはわずかに口元を緩ませる。
 瓶を傾けてグラスに注ごうとすると、エースの手が肩に置かれた。エースの行動を訝しんで、マルコが顔を向ける。笑みをたたえた口元が近付き、ぽってりとした唇に触れた。間近に見るエースの目は、黒々と光り、彼の性質を顕わすように、眼差しの奥に燃え盛る炎の影を見つけた。
 抵抗を忘れて、エースの目に見入っていると、更に深く唇が合わさった。唇の隙間から舌を差し込んで、マルコを絡め取る。そこでようやくマルコが抗うと、金糸の髪に指を絡ませ、頭を押さえこんだ。首を振って唇を解くが、すぐに追いつかれ、またキスをされる。圧し掛かるような体勢で、マルコの膝に身体を割り込ませると、甲板へ押し倒した。エースの背中を思い切り叩いて、制止を促すが、叩かれる痛みを気にすることもなく、片手でサッシュをずらすと、前立ての上から兆しを見せ始めた膨らみを押した。
「……んっ、やめ」
 ようやく離れた唇から、甘い息が漏れる。マルコの股間を弄りながら、エースは口角をあげた。
「おれ上手いよ?あんたを気持ちよくさせてやれる」
「男と…っ寝る趣味は、ねェ…よいっ」
 言葉を返す間も、やわやわと揉みこまれ、マルコの息があがる。ここ暫く寄港していない。溜まった欲求は、エースからの愛撫に素直に反応を示した。
「部屋どこ?さすがにここは嫌だろ?」
 前立ての袷を開き、直に握られて、耳元で囁かれる。ぬるついた水音が耳に届き、マルコは降参した。震える指先で部屋の方向を指し示すと、エースはにやりと笑って、マルコの身体を担ぎあげた。悔し紛れにエースの腹を膝で蹴ると、太腿の隙間から手を差し入れられ、濡れた先っぽを爪で抉られた。ひっ、とマルコが声をあげる。
「このっ、サド野郎…!」
 マルコの吐いた憎まれ口に苦笑いを漏らした。担ぎあげたマルコの肌を弄りながら、隊長達の私室のある通路へ足を向ける。ドアの閉まる音と共に二人姿は暗がりに紛れた。
 
 上手だ、と自慢するだけのことはある。
 息も絶え絶えになりながら、マルコは枕に顔を埋め、必死に喘ぎ声を殺した。もう何度目かを数えるのも途中で放棄した。後ろから覆いかぶさって、男にしてはやや細い腰を掴まれる。下生えが尻朶に擦れ合うほど深く挿入され、思わず声があがる。直腸壁を押し上げられ、ぶるりと震える。体内に熱い飛沫を感じた。同時にぬれた鈴口を刺激され、射精を促される。促されるままに、節張った掌に精を吐きだした。
 汗に濡れた背中に、エースの身体がぴたりと密着する。荒い息を耳元で聞きながら、射精の余韻に浸る。ずるりと萎えたペニスを引き抜かれ、腰が震えた。乱暴に肩を掴まれ、仰向けに転がされる。抵抗する間もなく、腕を押さえられ、顔を覗きこまれた。目を合わせたまま、キスを求められる。嫌がって首を逸らすと、露わになった首筋に噛みつかれた。
「……噛むんじゃねェよい」
「噛まれたくねェなら、キスさせろよ」
 言い返そうとしたマルコの顎を掴んで、深く唇を合わせる。散々、いいように吸った。
「しつけェ…っ」
「あんたの唇、気持ちいいよ。すげェ好き」
 キスで赤く色づいた唇を指でなぞり、エースは意味深に笑う。
「あのとき軽くしかできなかったろ。だから、あんたと次に会ったら、嫌ってほどキスしてやろうと思ってた」


PR

Copyright © ログ保管庫 : All rights reserved

「ログ保管庫」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]